旅人の足が止まる境界の街|福渡・「思案」の風景
岡山市北区建部町福渡。ここはかつて、「行こうか岡山、戻ろうか津山 ここが思案の福渡」という言葉で広く知られた、備前(岡山)と美作(津山)の国境でした。
旭川の渡し舟が発着し、多くの旅人が行き交ったこの場所は、現代のドライバーにとっても「一息つきたくなる」絶妙な距離感にあります。

現在は交通の要衝としての地位は衰えましたが、福渡駅前にはかつての隆盛を思わせる賑わいの名残が残されています。レトロな建物が好きな人なら、街歩きを存分に楽しめる事でしょう。
地名の由来
福渡という地名には、先人たちの繊細なこだわりが隠されています。
もともとこの地は、渡し舟が通る場所が深い淵(ふち)になっていたことから、「深渡し(ふかわたし)」と呼ばれていました。やがて漢字が縁起の良い「福」へと改められましたが、読み方にも更なる工夫が加えられます。
「フクワタシ」では、せっかくの福を外へ渡してしまうようで縁起が悪い。そこで「福が渡ってくる」ようにと願いを込め、読みを「フクワタリ」へと変えたのです。
関連リンク:福渡駅の地名の由来
火薬爆発事件
戦後間もない頃に、福渡で大量の火薬が爆発する事件がありました。
旧日本軍の残した火薬が、適切な管理をされないまま屋外に出されていたのです。
そこで近所の子供が近くで火遊びをした為、引火して大爆発を起こしました。
福渡全戸のガラスが砕け散る程の衝撃で、津山市や岡山市街地でもその音が聞こえるほどだったそうです。
事故を引き起こしたとされる子供は爆発の衝撃で行方不明になっており、火薬を管理する責任者はその日の内に自害しました。

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関連リンク
写真:福渡駅、駅前の風景
写真撮影:岡山の街角から
最終更新日:2026.2.20



