TOPコラムコラム・岡山の事件簿>36.岡山高等女学校・裸事件

月謝袋

『岡山高等女学校・裸事件』

岡山高女事件とは


 1904年、現在の岡山操山高校の前身である岡山高等女学校(岡山高女)で、ショッキングな事件が発生しました。この出来事は「岡山高女事件」や「高等女学校裸体問題」の呼称で知られています。

事件の経緯

 事件の発端は、ある生徒が持参していた月謝袋から5円分の紙幣が紛失したことでした。現在のような振り込みではなく、毎月の現金による支払だったのですね。

 5円と聞くと小学に思えるかもしれませんが、当時の5円は現在の価値に換算すると相当な金額(詳細は後述)です。学校側は事態を重く受け止め犯人を捜索する事にしました。

過激な捜索方法と社会的批判

 学校は犯行が可能と絞り込んだ約50名の生徒に対して裸での身体検査を実施し、盗難の証拠を探しました。しかし厳しい検査を行ったにもかかわらず、紛失した5円は発見されませんでした。
 

 この過激な捜索方法は、生徒の尊厳を無視した行為として問題視されます。更にその上でも犯人が見つかっていないのですから、世論の怒りは当然です。
 この件は新聞でも大きく報道されました。当時の教育機関における権力のあり方や人権意識の低さが浮き彫りとなった出来事でした。


 この事件は教育機関における人権意識の向上を求める議論を呼び起こしました。

 …ですが、失われた5円はどうなったのでしょう?

事件の結末と、裏事情


5円はどこに…?

 実は紛失した5円は、意外なところから発見されました。

 …というのも、当該生徒が持ち出す封筒を勘違いしていたのが原因で、学校へ持参していた封筒に5円分の紙幣は最初から入っていなかったのです。
 紙幣があることを発見し真相が明らかになると、同級生を裸にしての身体検査が行われるなどした責任を取る為に退学届けを出しました。

 ちなみにこの当該生徒は当時の岡山県知事の娘だったそうです。
 お金が紛失したくらいで生徒50名を裸にしてまでの執拗な身体検査が行われたのは、知事である親への配慮もあっての事ではないかとも考えられています。

 そうだとすると、親が偉大なせいでちょっとした勘違いが大きく取り扱われ、学校を辞めざるを得なかった…と考えると、当該の娘さんにも同情の余地があるかもしれませんね。

5円っていくら?

 当時の5円は現代の価値でどれくらいなのか調べてみました。
 三菱UFJ信託銀行のサイトで解説されている食べ物を基準にした数値では、明治後半の1円は現代の約4,760円に相当します。
 なので紛失した月謝は23,800円くらいです。決して少額ではないものの、そこまでして探すほどなのか議論が起こるのは当然でしょう。


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写真:月謝袋のイメージ図
写真提供:イラストAC


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