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蒲団(田山花袋)のモデルは新見に…?

蒲団のモデルは新見にいる?


 田山花袋の私小説的な作品である「蒲団」。
 作品中に登場する主人公の女弟子である横内芳子は、新見町(現・新見市)の出身という設定になっています。

 石上 敏による蒲団の論文である「田山花袋『蒲団』と新見」よると、当時の新見ではモデルがいるのではないかと話題になったそうです。

 その中でモデル候補に挙げられたのが、新見の横内病院の娘です。
 モデルの候補に挙げられた詳細な理由は不明ですが、恐らく横内という名前と年代的に近い女性がいるという条件から導き出されたのでしょう。

 横内病院は明治時代に建てられました。病院が閉院した後も学生寮として長く残されていましたが、現在は撤去されています。
 しかしGoogleマップのストリートビューのタイムマシン機能で、当時の建物を確認できます。

本当のモデル


 田山花袋や蒲団について詳しい人なら、恐らく横内病院のくだりを聞いて不思議に感じたのではないでしょうか。

 ヒロインの横内芳子
のモデルが花袋の弟子の岡田美知代である事は非常に有名な話です。
 彼女は花袋の「妻」や「縁」でもモデルになっています。

 岡田美智代の出身は府中市上下町です。
 新見市出身の設定はそれを少しずらしたものです。

 これについて石上 敏はモデルである岡田美知代と分からなくする目的や、より山の中で雪深い新見の方が花袋のヒロイン像に合っていたことを指摘しています。
 なので厳密にはキャラクターとしてのモデルは岡田美知代、設定面のモデルは横内病院やその病院の娘さん…といったところなのでしょう。


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写真:蒲団


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