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国際交流ヴィラ

黒い雨・舞台探訪


黒い雨


体の中で、戦争は続いています。

 第二次世界大戦の際に行われた原爆投下では、様々な形で被曝をした方がいます。
 本作『黒い雨』は、田中好子さん演じるヒロインが受けた二次被曝の恐怖を扱った作品です。

 黒い雨とは、原爆の後に降った放射性物質を含んだ黒く粘り気の強い雨の事です。


 ヒロインの矢須子は、原爆直後に黒い雨を浴び、また放射能の残る広島市内を移動した為、二次被曝をしていました。

 その事実が曲解され、矢須子は被爆者として縁談が上手くいきませんでした。

 彼女の幸福を祈る叔父夫婦は、病院で診察を受けるなどして彼女が結婚できるように努力したのですが、そんな折、矢須子が原爆症を発症してしまうのでした…。



 映画の舞台となっているのは現在の神石高原町(広島県)ですが、ロケ地を探していた監督の今村昌平が八塔寺ふるさと村を気に入って採用されました。

八塔寺ふるさと村(作品の舞台・小畠村)


 まず作品全体のロケ地となっている八塔寺をご紹介します。
 岡山県のふるさと村という、昔ながらの景観を保存している地域に指定されています。

八塔寺ふるさと村

 古くから八塔寺という寺院を中心に栄えてきた地域で、かつては西の高野山と呼ばれるほど仏教の聖地として繁栄していました。
 現在でも茅葺屋根や穏やかな田園風景が残されており、この風景が原爆投下から数年後の時代設定や、物語の舞台と合致していたのだそうです。

 作品中に見られる風景の多くは、今の八塔寺でも見ることが出来ます。
 監督、俳優、各種スタッフまでここで100日もの長期間に渡り、映画撮影のために住み込みになったそうです。
 また撮影に際して、電柱や電線の埋設工事も行われました。

国際交流ヴィラ(閑間家)


 ヒロインの矢須子が叔父と住む閑間家は、現在国際交流ヴィラという外国人向けの宿泊施設が利用されています。(八塔寺の国際交流ヴィラは日本人のみの宿泊も可)

 実は映画撮影のために村はずれにあった建物を移築しました
 その費用は撮影後もふるさと村の施設として利用する事を取り決め、移築に必要な費用は岡山県、吉永町(当時)、撮影を行う今村プロそれぞれから捻出されました。

 このページの冒頭で使用している写真が、その建物です。
 また、この裏にある池は釣りをしていたシーンに利用されています。

民俗資料館(石像)


 映画オリジナルの登場人物である岡崎屋悠一が彫っていた石像が庭に残されています。

像

 映画の白黒の画面で見ていたので判らなかったのか、それとも映画撮影から随分と時が流れてしまった為なのか、映画で見たより古めかしさを感じます。

高顕(女優の宿泊場所)


 現在もふるさと村内に残る寺院です。
 このお寺には映画撮影中に女優さんが宿泊したそうです。
 約100日とも言われる住み込みのロケの期間は自炊生活を行っており、女優さんも食事の用意を手伝っていたという逸話が残されています。

 他のスタッフや、男優の方は別の場所に宿泊したそうです。



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