人形峠の怪
人形峠とは
岡山県と鳥取県の県境に位置する人形峠。
この場所には女性や子供の幽霊の怪談が伝わっています。
全身ずぶ濡れの女性が出る、子供の足元だけが歩いている幽霊、どこからともなく聞こえてくる子供の鳴き声…といった具合です。
夜間は余り車通りが多いとは言えない道なので、その怪談の存在だけで心もとなく感じる人も少なくないでしょう。
その正体は…!?
この怪談でキーになるのは、出て来るのが女性と子供という事です。
人形峠という地名は地元に伝わる伝説に由来するとされています。
一つは大蜂(大蜘蛛とする説も)を退治するのに、人形を囮に使ったとする説。
そしてもう一つが子供の神隠しに関する説です。
この子供の神隠しの話に女性と子供(娘)が登場します。
濃霧の中を進む途中で、娘とはぐれてしまった母親は一生懸命に子供を探します。
そして、ようやく霧が晴れた時…、どこにも娘の姿はありませんでしたが、何故か娘とよく似た姿かたちをした人形だけが残されていたのです。
恐らく人形峠の怪談話は、この伝説が現代の心霊話のように形を変えながら伝わっていったものなのでしょう。
余談ですが、現在の人形峠と伝説に残される人形峠は場所が異なります。
現在の人形峠は1955年にウラン鉱脈が発見され、人形峠鉱山と名付けられた事に連動して従来は打札峠と呼ばれていた峠が人形峠と呼ばれるようになったものです。
伝説の方に出て来る人形峠は、人形仙と呼ばれる場所の方です。
美作北2号林道から進める登山道です。