尾坂トンネルの怪
玉野市の田井地区と八浜地区を結ぶ尾坂トンネルは、その距離1,088mと、玉野市内では最長のトンネルです。このトンネルには、かつて「田井〜八浜方面と八浜〜田井方面で距離が違って感じる」という、まるで怪奇現象のような話が知られていました。これは過去に流行した心霊話の典型的なパターンの一つです。
しかし、この現象の正体は、どうやらトンネル内のカーブが影響する人間の心理的な要因によるものだとされています。
実際に尾坂トンネルも八浜方面へ向かう途中でなだらかなカーブがあり、わずかな上り坂にもなっています。これらの要素が、距離感の錯覚を引き起こしていたと考えて間違いないでしょう。
この現象については、テレビや雑誌などのメディアでも取り上げられた影響か、急速に噂を聞くことはなくなりました。
全国的に1980年代に盛り上がった心霊ブームも、1990年代前半には大槻義彦氏のような超常現象反対派の人々による反証が注目を集めるようになり、人々の関心が移っていったことも背景にあると考えられます。
明るくなると幽霊は見えなくなる
ところで、尾坂トンネルには他にも「田井方面から向かうとフロントガラスに顔が映る」や「トンネル内に人がへばりついている」といった不気味な噂もありました。しかし、これらの噂もいつの間にか自然と消えていきました。
その理由は非常にシンプルです。かつての尾坂トンネルは、非常に暗かったのです。さらに、玉野市側から向かうと、トンネルの出口付近がカーブで見えないため、余計に暗く見えて不気味さを増していました。
しかし現在ではトンネル内の照明がLEDに交換され、見違えるほど明るくなりました。

まるで「明るくなると幽霊は見えなくなる」とでも言うかのように、徐々にこれらの噂も聞かれなくなっていったのです。科学的な解明と設備の進化が、かつての怪談を過去のものとしたのかもしれません。





