
平安杉(吉備津彦神社)
詳細
所在地:岡山市北区一宮1043(吉備津彦神社境内,拝殿すぐそば)
関連リンク:吉備津彦神社
吉備津彦神社の奇跡の御神木「平安杉」
岡山市にある吉備津彦神社の境内には、圧倒的な存在感を放つ御神木があります。その名も「平安杉」。樹齢およそ千年とされ、長い歴史を見守り続けてきたこの巨大な杉の木は、地元の人々はもちろん、全国から訪れる参拝者にとって、まさに神聖な存在です。
平安杉には、古くから「龍が宿る」という神秘的な伝説が伝えられています。これは吉備津彦神社にまつわる数多くの神話の一つであり、この神木に対する人々の深い敬意を一層高めています。
ここまで聞くと、全国の神社によくあるご神木の話のように思えるかもしれません。しかし平安杉には他の御神木とは一線を画す、驚くべき特徴があるのです。
その特徴こそが、平安杉を一層神秘的で魅力的なものにしています。さあ、続けてその秘密を深掘りしていきましょう。
火災を乗り越えた証:平安杉の幹に刻まれた歴史
半身がモルタルのご神木
平安杉の写真を見て、「何か違和感がある」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。その違和感の正体は、平安杉の幹の真ん中あたりで、樹皮の色が変わっている点にあります。この色の変化には、非常に重要な理由があるのです。実はこの部分は、平安杉が過去に受けた「治療」の痕跡。モルタルで埋められている箇所なのです。
1930年の火災と治療の痕跡
平安杉は、1930年(昭和5年)に発生した社殿の火災によって、甚大なダメージを受けました。その熱により、幹の半分が枯れてしまうという危機に瀕したのです。
このままでは木が倒れる危険性や、さらに枯死してしまう恐れがあったため、専門家による大規模な治療が施されました。木の中で腐敗した部分を丁寧に取り除くと同時に、内部に鉄筋の支柱を埋め込んで木を強化する作業が行われたのです。
この幹に見られるモルタルは、その強化処置の名残であり、平安杉が約90年前の火災から奇跡的に回復し、今も力強く生き続けている証でもあります。
まとめ:平安杉が語る千年の物語
吉備津彦神社の平安杉は、単なる樹齢の長い御神木ではありません。龍が宿るという伝説に彩られ、そして何よりも、過去の火災という過酷な試練を乗り越え、現代に生きる私たちに力強い生命力を見せてくれる奇跡の木です。
幹に刻まれたモルタルの痕跡は、その壮絶な歴史と、人々が神木を守り抜こうとした努力の結晶。吉備津彦神社を訪れる際は、ぜひこの平安杉に手を合わせ、その千年の物語と、火災から蘇った力強い生命力を感じてみてください。




