倉敷市児島・田の口の街角
詳細
■ 所在地:倉敷市児島田の口5丁目付近
■ カメラ:E-520
■ 備考:由加山・南参道
田の口港
岡山県には小京都として人気の観光地である『倉敷美観地区』があります。
天領として栄えた倉敷の古い町並みをとどめる一帯で、江戸時代~大正時代の建物が並んでいて、まるでタイムスリップをしたかのような体験が出来ます。
しかし探してみれば、古い町並みというのは各所に残されているものです。
今回は同じ倉敷市の『児島田の口』地区をご紹介します。
田の口港周辺は、かつて『由加山』と香川県の『金刀比羅宮』の両方を参る『両参り』の窓口として賑わっていました。
港周辺には当時の名残である立派な鳥居や、灯籠があります。
この港から由加山を目指したのだそうです。
南参道の風景
両参りが行われていた時代の庶民の主な交通手段は徒歩でした。
田の口港へ到着すると周辺で宿を取って、翌日から由加山を目指すのが一般的な流れだったそうです。
なので田の口は旅籠や飲食店などで賑わいました。
現在ではそうしたお店の多くは姿を消しました。
それでも田の口から由加山へと続く町並みには隆盛の時代を物語るように立派な日本家屋や蔵が建ち並びます。
倉敷美観地区のように町並みの保存が行われておらず、昔ながらの家々の間に少しずつ新しい洋風建築が見られるようになって来ました。
南参道の今、そして未来
丁石(由加山までの距離、方角を記した石)など、歴史を伝えるものは沢山ありますが、徐々に、そして確実に地区は変化していっています。
古い建物が無くなり、その後には新しい洋風の建物が建てられ、徐々に参道として賑わった頃の面影は薄れていきます。
それが時代の流れであり、自然な事です。
5年後、10年後…。
この景色がどんな風に変わっていくのか。また訪れてみたい町並みです。