井原市芳井町の歴史と街並み探訪
詳細
■ 所在地:井原市芳井町
■ 商店街に残る古い街並み
関連リンク:動画・みゆき通り商店街の風景
芳井町に残る故郷の記憶
井原市芳井地域を訪ねてきました。
平成の大合併の際に井原市、美星町と編入合併して消滅した旧芳井町です。
とりあえず地域の中心部であろう井原市役所芳井支所へ向かいました。旧町役場の建物が支所に転用されています。
第一印象は人がいない…というものでした。
駐車場に車や自転車は全くなく、しばらく支所周辺を散策していても人の出入りはほとんどありません。

2025年7月時点での人口は3,685人です。地域というより地区といった規模です。
町が井原市に編入した時点での人口は約5,900人。合併してからの20年で2千人以上も人口が減少したことが分かります。
合併に踏み切った理由の一つに「将来の基礎自治体としての役割・責任を果たすため」というものがあります。人口
の減少により町の運営が厳しくなることを見越していたようです。
それを象徴するようなオブジェがあります。

これは「想い出」という像です。
合併直前の2005年2月に芳井町が建立しました。
みんなで歌っているのか、馬鹿笑いしているのか…、どちらにしても楽しそうな様子はこちらの表情まで緩んできます。
しかしこの像には少し寂しいエピソードがあります。
合併して消滅する芳井町。ここに町役場があり、町民みんなの故郷であることを語り継いでいくために作られました。
芳井町は新たな井原市を構成する地域の一つとして、旧町役場は支所になりました。しかし前述の通り、芳井町の人口は急速に減少を続 けています。遠からず旧役場の建物は建て替えが必要になり、その時にこの規模の建物は必要なくなり、場所も変わってしまうかもしれま せん。
しかし思い出の像ある限り、ここに町役場があり、町の中心部であった事を誰も忘れることなくいられることでしょう。
レトロな商店街
支所から小田川を渡って進むと、昔ながらの商店街が残っています。
南端から入っていくと、いきなり物凄いお店を見つけてしまいました。

懐かしの昭和の写真屋さんです。
今はカメラの主流はデジタルで、撮った写真もデジタルデータで携帯電話などでやり取りされるばかりで紙に印刷することも少なくなり ました。
しかしフィルムが主流だった時代には、町に一つどころか地区に一つはこのような小さな写真屋がありました。

ミヤケカメラ以外にも昔ながらの店舗がよく残されていて、しかも営業しているお店も決して少なくありません。
ただ商店街がこれだけ生き残っているというのは、それらを駆逐するようなチェーン店が参入してきていないという事でもあります。
スーパーと呼べるのは農協の直売所くらいで、後はぽろぽろと個人商店があるだけ。私のようなよそ者はレトロなお店がいっぱい残って いていいなぁと思いますが、地元の人にとっては便利なスーパーの登場を望んでいるのかもしれません。

小田川の上を泳ぐ鯉のぼり。
商店街の途中から目の前に出ていけました。
小田川横断鯉のぼりというもので、文字通り小田川の上に鯉のぼりが並んでいます。圧巻の迫力です。
4月下旬から5月下旬まで開催されているようです。
井原市の他の観光名所と兼ねて見学していくプランも面白そうですね。
芳井で見つけた恐怖の…!?
芳井支所から亀山神社へ向けて移動しましたが、その途中で恐ろしいものを見つけてしまったのでシェアします。

お地蔵さんの祠です。
小ぶりなお地蔵さんですが、祠はコンクリートで作られた立派なものです。
何かしらいわれのあるお地蔵さんでもおられるのかと思って、中を覗き込んでみたところ…。

全員首なし…!
メインと思われる位置に並んだ三体がすべて首なし地蔵です。しかし残念ながら祠の中にもこのお地蔵さんたちの謂れについては気刺さ れてあおらず、よく分からないままでした。
古いお地蔵さんは細くなっている首の辺りから劣化が目立ち始め、頭が落ちてしまうそうです。後ろにあるような形状なら持ちますが、 写真のように人型にくりぬかれた石のお地蔵さんは、細く作られている首の部分で落ちてしまいます。全てではありませんが、多くの首な し地蔵が単に経年劣化による可能性は高いです。
それにしてもビックリしたなぁ…。
過疎化で人口が減少している一方、ここには「懐かしさ」と「驚き」が同居する独特の魅力があります。井原市や美星町の観光とあわせ て、ぜひ訪れてみてください。





