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ニホンザル

臥牛山自然動物園

臥牛山自然動物園 概要

無くなった理由:廃業
所在地:高梁市・臥牛山
営業期間:1955年~1991年

備中松山城の麓に存在した「猿専門」の動物園


 かつて備中松山城の麓にそびえる臥牛山(がぎゅうざん)には、かつて臥牛山自然動物園という名の動物園が存在しました。(営業期間:1955年〜1991年)

 この動物園は、猿のみを扱うという珍しいコンセプトを持っていました。その背景には、この地域特有の事情があります。

 臥牛山周辺には古くから猿が生息しており、「臥牛山サル生息地」として国の天然記念物に指定されています。

 1954年には当時の岡山県知事・三木行治を中心として臥牛山野猿保存会が発足し、野生の猿に対する餌付けが開始されました。この餌付けを観光に活用すべく整備されたのが、臥牛山自然動物園です。

 放し飼いにされた猿を見学できる貴重なスポットとして賑わいました。現在も高梁市の土産菓子に「さる煎餅」があるのは、当時の名残です。

さるせんべい

関連リンク:高梁のさるせんべいとは

閉鎖へ至った二つの理由

 臥牛山自然動物園は、観光客に親しまれながらも、1991年に閉鎖されました。高梁市の公式サイトではその理由を『より自然に近い状態に戻すため』としていますが、そこには人間の干渉が招いた深刻な問題がありました。

理由①:餌付けによる猿の異常繁殖と獣害

 餌付けにより食べることに困らなくなった猿は順調に繁殖を続け、自然に生息していた頃の倍以上の数にまで増加しました。

 猿の個体数の急増は、周辺地域での農作物への被害(獣害)を深刻化させ、地域住民の生活に大きな影響を及ぼしました。

理由②:奇形個体の増加

 臥牛山自然動物園の閉鎖のもう一つの大きな理由が、奇形の個体が増えたことです。

 これは臥牛山特有の現象ではなく、人間が野生の猿に継続的に餌付けを行うと、生まれてくる猿に奇形の個体が増える傾向があることが後に判明しました。

 これらの問題を受け、高梁市は施設の閉鎖を決定。現在は、人間による干渉は、個体数の調整などのための最小限の餌付けなどに抑えられています。

 臥牛山自然動物園の歴史は、「自然との共存」の難しさと、人間の営みが自然界に与える影響の大きさを教えてくれる事例として、今に語り継がれています。





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写真:ニホンザル
写真提供:photoAC


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