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ザ ハヤシバラシティ
ザ ハヤシバラシティ 概要
存在しない理由:着工前に計画停止
計画概要:百貨店、オフィスビル、ホテル、博物館を備えた近未来都市
建物:無し(現・イオンモール岡山)
運営会社:林原グループ
幻の再開発計画
岡山市のイオンモール岡山がある場所は、かつて地場企業の林原が再開発計画を立てていた土地です。
その名もザ ハヤシバラシティ。
2つの百貨店、オフィスビル、ホテル、博物館、劇場といった施設を備えた近未来都市を作り上げる計画でした。
当時の公式サイトでは『かつて中国四国地方の政治・経済・文化、そして交通の要あったこの地域を、世界に向けて再浮上 させることによって、岡山に住む方がこの街を誇りに思えるように、あるいは世界中から岡山を訪れる人々にこの街がとても素晴らしい場所だなと感じてもらいたいと思っているのです。』と掲げていました。
林原が所有の駅前の土地へ、総工費1,500億円という壮大な計画です。
計画が公表されたのは2002年で、完成は2009年の予定でした。
計画の推移
夢のような計画として出発したザ ハヤシバラシティ。
年間で1,000万人の利用者を見込み、地元に大きな雇用や経済効果をもたらす想定がなされていました。
そのために岡山市の都市活性化計画の中にも盛り込まれるなど、各所で好意的に受け止められていたようです。
しかし、計画は遅々として進みませんでした。
予定地は開業の目安とされた2009年になっても依然として駐車場(林原モータープール)として利用され続け、ザ ハヤシバラシティの掲げた百貨店の誘致も、マンションの建築も、何も行われませんでした。
その頃の林原はザ ハヤシバラシティの推進どころではない、深刻な事態に陥っていたのです。
会社更生法適用へ
岡山県内随一の優良企業と考えられていた林原ですが、実は債務超過に陥っていました。
研究費への過度の投資や、インターフェロンが後発の遺伝子組換え型インターフェロンとの競合に負けてしまった事が主な原因とされています。
そうした状況の中で融資を受ける為に行われた不正経理が明らかになり、やがて同社は経営破綻してしまいます。
2011年に会社更生法の適用が申請され、ザ ハヤシバラシティが建設される筈だった土地はイオンモールへ売却され、計画は完全に潰えてしまいました。
建設予定地は前述の通り、土地を購入したイオンモールが開業したイオンモール岡山となりました。
現在、イオンモールへ向かう人々で賑わう岡山駅南地下道は元々はザ ハヤシバラシティが完成する事を想定して作られたと言われています。
数少ないザ ハヤシバラシティ計画の名残です。