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『岡山監獄署・放火事件』
岡山刑務所・放火事件
囚人の放火による大脱走事件
1883年、現在の岡山市北区牟佐に移転する前の旧岡山監獄署(刑務所)で、服役中の囚人による放火事件が発生しました。この放火により獄舎一棟が全焼する大火事となり、混乱に乗じて206名もの囚人が脱走し、さらに1人が死亡するという大騒動に発展しました。
放火事件は今回が初めてではなく、実はその3年前にも放火ではないものの、獄舎3棟を含む多くの建物が全焼する火災が発生しています。
収容場所となった国清寺の皮肉
この大火事により、収容しきれなくなった囚人の緊急収容場所として、岡山市の国清寺が選ばれました。
人々はこの決定に驚き、「本堂を 地獄に貸せる 国清寺 彼は懲役 これは寺益」(岡山今昔記―岡 長平より)と、寺が世間の地獄(刑務所)を預かったと皮肉る者がいたほどです。なお、放火事件の主犯格の囚人は後に死刑になっています。
旧監獄署の跡地と残された遺構
放火事件の舞台となった旧監獄署は、1969年に施設の老朽化を原因として現在の岡山市北区牟佐へ移転しました。
事件当時の監獄署があった場所は、現在の岡山市北区二日市です。
跡地は現在、岡山市立中央図書館や公園として整備されており、刑務所の建物自体は残されていません。しかし、公園周辺には、かつて囚人の脱走を防ぐために整備されていた高い塀の基礎の部分が今もなお残されています。
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写真:刑務所のイメージ図
写真提供:イラストAC
最終更新日:2025.10.1




