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伊里の米騒動詐欺

1918年・米騒動とは


 今回の話を紹介する前に、少しだけ1918年の米騒動について紹介しておきたいと思います。ご存じの方は読み飛ばして下さい。

 日本は第一次世界大戦後に「大戦景気」と呼ばれる好景気の時期に入ります。
 大戦中に戦場とならなかった日本は貿易が発展、工業化が進みました。都会への人口の流入などもあり、米の生産量は停滞して徐々に価格が上昇していました。
 1918年8月にはシベリア出兵が宣言され、それに向けた米の買い占めや売りおしみが発生します。これらの要因で米の価格は一気に高騰し、人々の生活に悪影響を及ぼすようになりました。

 7月頃から徐々に暴力的な手段による米の値下げ要求が横行するようになり、これは全国に飛び火。8月13日には岡山市でも発生しています。
 

伊里の米騒動詐欺


 全国の商店主は全国で発生している米騒動は他人事ではありません。いつ自分たちが襲撃されるか不安な日々を過ごしていました。
 伊里(現・備前市)ではそれに付け込んだ詐欺事件が発生しています。

 商店に男がやってきて、ついに伊里でも暴動が起こったと伝えました。
 恐らく商店主らにとってはとうとう来てしまったという諦めの心境だった事でしょう。
 しかし男は続いて助け舟を出します。自分たちに金品を渡せばそれで暴動を鎮めてみせると請け負ったのです。これ幸いと金品を託す商店主達。
 しかし実際は暴動は起こっておらず、男たちは受け取った物を持ち逃げしてしまいました。


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