TOPコラムコラム・岡山の事件簿>73.津島遺跡と工事

津島遺跡

壊されかけた津島遺跡

津島遺跡とは


 岡山市の中央市街地にある岡山県総合グラウンドには陸上競技場、体育館、野球場、そして岡山武道館などのスポーツ施設が揃っています。
 この敷地内に「津島遺跡」という弥生時代前期の集落と水田の遺跡があります。
 集落と水田が一緒に発見された事例は国内初で、国の史跡に指定されています。

津島遺跡の水田跡
 陸上競技場の正面の辺りに水田、湿地、そして高床倉庫や竪穴住居などが再現されています。
高床倉庫

 しかし貴重な遺跡は、発見時にあわや取り壊されそうになっていました。
 それはこの場所に建てられようとしていた建物に関係します。

暴挙、工事続行…


 津島遺跡が見つかったのは1968年ですが、これは岡山武道館を建てようとしている最中のことでした。
 工事をしているとそれらしいものが出てきて、そこに遺跡があることが分かったのです。通常ならここで工事は一旦停止して調査が行われます。
 しかし県は工事を続行しました。

 岡山武道館は岡山県の明治百年記念事業として行われていました。
 なので県としては早々に完成させてしまいたいという意向があったのでしょう。考古学の研究者らが声を挙げるも受け入れられず、最終的に文化庁が中止命令を出すに至りました。
 これで工事は止まりましたが、実際に停止したのはその翌日。貴重な発見に泥を塗るような出来事になってしまい、新聞などで批判を受ける結果になりました。


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写真:イメージ


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