『ハエ取り紙からマステまで・カモ井加工紙』
マスキングテープで人気のカモ井加工紙
倉敷市に本社を置くカモ井加工紙は、装飾用のマスキングテープを製造・販売する会社として高い人気を誇ります。
そもそもマスキングテープは塗装やシーリングなどをする際に、目的の場所以外を覆ってしまう為の製品です。
カモ井加工紙は2008年にそのマスキングテープにおしゃれなデザインを施し、文具・雑貨向けとして発売します。これが日本中で大ヒットしました。
手軽に身の回りのものを装飾できる上に、そもそも剥がすことを前提に作られているマスキングテープは飽きれば綺麗に剥がすのも容易です。
様々なキャラクターグッズやデザイナーによるおしゃれな商品が発売され、「マステ」は一時の流行を超えて雑貨の定番アイテムに成長しました。
mt factory tourと名付けられた工場見学も大人気です。
実はハエ取り紙の会社
カモ井加工紙は1923年にハエ取り紙の会社として創業しました。
ハエ取り紙は誘引剤を塗ったテープで、そこに寄ってきたハエなどの虫が捕まるという仕組みです。要するにハエ用のごきぶりホイホイです。
現在の日本では殺虫剤の使えない限られた環境でしか見ることがありませんが、かつては日本中の家庭で見られました。
カモ井は後にハエ取り紙のスタンダードモデルになる、吊り下げ型の「カモ井のリボンハイトリ」を開発します。
前述のように殺虫剤が使えない場所や海外での需要があり、現在でも同社が製造を続けています。
そして工業用マスキングテープの業界に参入、この流れの中に雑貨としてのマステもあるのですね。
写真:『マスキングテープ』
写真提供:写真AC