TOPコラムコラム・岡山の事件簿>32.玉島・安田銀行強盗殺人事件

『1933年 安田銀行玉島支店・強盗殺人』

安田銀行、強盗殺人事件


 1933年(昭和8年)、岡山県倉敷市玉島(現在の玉島地区)に存在した安田銀行玉島支店で、強盗殺人事件が発生しました。
 前年の1932年には、日本初の銀行強盗事件とされる赤色ギャング事件が起きており、この安田銀行強盗殺人事件は、日本の銀行強盗事件史の中でも非常に初期の事例の一つとして知られています。

事件の発覚:深夜の訪問者と消えた支店長


 事件は、安田銀行玉島支店の支店長宅に、深夜に制服姿の巡査が訪れたことから始まりました。
 この巡査は支店長とも面識のある警察官でした。
 彼は支店長に対し、銀行の通用門が開いているため、銀行内に異常がないかを確認するために同行してほしいと求めました。
 支店長の自宅は安田銀行玉島支店の隣に位置していたため、支店長はすぐに銀行へと向かいました。

 しかし、いつまで経っても支店長は自宅に戻ってきません。
 不審に思った妻が他の銀行員を呼び、銀行内を確認したところ、金庫の中で絞殺された支店長の遺体が発見されました。
 銀行からは現金などが失われており、支店長を呼び出した巡査の姿はどこにもありませんでした。

事件の真相


 この安田銀行強盗殺人事件の犯人は、支店長を呼び出した当時28歳の巡査でした。彼は前述の通り現職の警察官でした。

 犯行動機は幼馴染の芸妓を身請けするための大金が必要だったことでした。
 「身請け」とは、芸妓が所属する店に対して、その芸妓の借金と身代金を支払うことで、芸妓をその職業から解放することを指します。

 犯人の巡査は、確認と称して支店長と共に銀行内へ入り、異常がないことを確認すると、支店長と談笑しながら油断させて隙を見て殺害します。
 そして現金を盗んで逃走しました。

 しかし逃走の際に当時の玉島周辺では珍しかった自動車(ハイヤー)を利用したため、すぐに足がつき逮捕されました。

社会への衝撃と事件のその後

 現職の警察官による強盗殺人という前代未聞の事件は、当時の社会に大きな衝撃を与え、連日大きく報道されました。犯人の巡査は逮捕後、裁判で死刑判決を受けました。

 現在、安田銀行玉島支店の建物には、玉島信用金庫の支店が入居しています。この場所は、かつて悲しい事件が起こった場所として、地域の人々の記憶に刻まれています。



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関連リンク


写真:安田銀行玉島支店だった建物
写真提供:Googleマップ


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