TOP>コラム>コラム・岡山の事件簿>44.六高・弁当事件
『六高・弁当事件』
六高・弁当事件って?
現在の岡山大学の前身の学校の一つ、旧制・第六高等学校(以下、六高)で弁当事件と呼ばれる紛争が発生した事があります。
事件が起きたのは1931年で、発端は学生が昼食に外部から弁当の取り寄せを行い始めた事です。
…というのも、当時の六高にあった学食は高いわりに不味いと評判が良くなかったのです。
その為に当時のブルジョアが集まった喫茶店・ブラジルなどから弁当を取り寄せて、校内で食べていたのです。
しかしこれに当時の校長が怒り、とうとう外部から外部から持ち込んだ弁当を学校の敷地内で食べる事を禁止してしまいました。
しかし学食の改善策も講じられずに、弁当だけを禁止された学生も黙ってはおられず、大論争が巻き起こりました。
事態の進展
弁当事件は最終的に特別高等警察(特高)が動き出す事態に発展しています。
学生が抗議の為に学生大会を開催した動きを察知したのです。
ちょうど学生自治会が結成されており、この為に治安維持法に抵触する事件として扱われたのです。
そして自治会の中心人物は執行猶予付きとは言え実刑判決になりました。
また学校側の態度も強硬で、なんと除籍者まで出ています。
食べ物の恨みは恐ろしいとは言え…、弁当の持ち込みだけでこのような事態に発展するとは、当の学生たちも思ってもいなかったのではないでしょうか
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写真:弁当
写真提供:イラストAC