TOP>コラム>コラム・岡山の事件簿>53.岡山藩を訴えた神社
『岡山藩を訴えた神社』
吉備津神社と岡山藩
1806年に吉備津神社が岡山藩を幕府に訴えた事があります。
この事について書く前に、江戸時代の頃の吉備津神社と岡山藩の関係について簡単に触れておきましょう。
江戸時代の岡山藩は質素倹約を徹底していました。
当時の庶民の娯楽である芝居、富くじ、遊郭などは禁止でした。
しかしそれを楽しむ方法はありました。
岡山藩の領地外に出れば良いのです。
その為に最も手近なスポットが吉備津神社の社領でした。
当時の吉備津神社の門前(宮内地区)は山陽道随一の歓楽街として知られており、様々な娯楽や遊郭が立ち並んでいました。
岡山藩からも近い事から、こっそりと楽しみに行く人がいたのです。
吉備津神社が訴えた理由
では本題の吉備津神社が岡山藩を訴えた理由です。
岡山藩も領地外だからといって仕方ないと諦めていた訳ではありません。
吉備津神社の辺りに役人を派遣して、岡山藩から来た人を取り締まりました。
吉備津神社が訴えたのはこの為です。
神社側は自身で治安を守るための取り締まりを行っており、岡山藩が口出し、手出しをする事を快く思っていませんでした。
また取り締まられる事で歓楽街の賑わいに影響する事を恐れていたとも伝えられているので、岡山藩からの来訪者は相当に多かったのでしょう。
関連リンク
写真:吉備津神社
写真撮影:岡山の街角から