景観に配慮した瀬戸大橋の工夫
100年の夢、ついに実現
様々な技術的、社会的、環境的な問題を乗り越え、瀬戸大橋はついに完成の日を迎えました。
・開通日: 1988年4月10日
・工期: 着工から約9年半
悲劇的な紫雲丸事故から34年。そして、大久保諶之丞が架橋を提言した明治時代からわずか100年足らずで、本州と四国をつなぐ巨大な橋は現実のものとなったのです。
世界一の併用橋のスケール
このコラムで何度も用いてきた「瀬戸大橋」の呼称ですが、これは実は岡山県側から香川県側へ続く六つの橋の総称です(下津井瀬戸大橋~櫃石島橋~岩黒島橋~与島橋~北備讃瀬戸大橋~南備讃瀬戸大橋)。
岡山県に架かるのは下津井瀬戸大橋ですが、もちろんそのような呼び方をする人はいませんね。
・海峡部総延長: 9,367メートル
・特徴: 鉄道を併用する橋として世界一の規模を誇ります。

橋の鉄道部分の設計は、将来の可能性を見据え、新幹線を通すこともできる設計となっています。総工費は1兆1,200億円に上りましたが、その実績は日本国内だけでなく、世界中の長大橋建設技術に大きな貢献をしました。
開通後の変化と未来への課題
瀬戸大橋の開通は、岡山と香川の生活圏を大きく変えました。自動車道と鉄道が通じたことで、両地域間の移動時間は大幅に短縮され、通勤・通学圏が拡大し、人々の日常的な交流が深まりました。
しかし、開通後も新たな課題に直面しています。
・地域問題: 下津井などの周辺エリアでは、騒音や夜間照明による光害などが発生し、地域との共存が求められています。
・交通量: 当初の想定よりも交通量が伸び悩んでいるという事実があり、現在も様々な値下げ策やキャンペーンによって利用促進のてこ入れが行われています。
夢を現実にした瀬戸大橋は、今、その維持と発展という新たな問題に直面しています。この偉大な遺産を未来へとつなげていくため、地域の住民一人ひとりが知恵を出し合い、これらの課題を乗り越えていくことが期待されています。

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写真:瀬戸大橋
写真提供:岡山県
最終更新日:2025.9.18

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