下津井電鉄跡を歩く。10:電車の無い、未来へ―

 今回、旧児島駅~旧下津井駅間を歩いて一番感じたのは、やはり時代の変化でした。
 一家庭に自動車一台どころか、岡山の近郊では大人一人に一台でさえ当然という状況が現実となっている中で、電車のある未来というのは描けなかったのだと痛感しました。
 しかし慌しく過ぎていく車道を横目になだらかに流れていく風の道は、現在の人々が忘れかけている緩やかな時間の流れを教えてくれるようでした。
 時代と、小規模な下津井電鉄は一緒にいることは出来なかったのでしょう。
 廃線を歩いていくそばを、バスが駆け抜け、マリンライナーは猛烈な勢いで海へ向かって駆け出していきます。

 時代の変化は明白です。

 もしも現在の速度に疲れてしまった時は、風の道を歩いてみて欲しい。
 緩やかな時の流れを感じながら、焦ってばかりいる自分の滑稽さに気づく事が出来るでしょう。

関連リンク:『下津井電鉄跡を歩く2013』(2013年、再訪の記録です)

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写真撮影:岡山の街角から


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