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倉敷チボリ公園の魂「切り絵の庭」とアンデルセン像の秘密
倉敷チボリ公園には派手なアトラクションが多くありましたが、園のコンセプトである「北欧の休息」を最も色濃く体現していたのが、「切り絵の庭」です。
本家デンマークのチボリ公園を愛した童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン。彼への敬意が込められたこのエリアには、今だからこそ知っておきたい逸話が残されています。
天皇陛下も視察した「切り絵の庭」の格調
この庭園は、単なる散策路ではありませんでした。1997年の開園時、天皇陛下(現在の上皇さま)がチボリ公園を訪問された際、この「切り絵の庭」周辺を熱心に見学されたという記録が残っています。
多くの来園者がアトラクションに目を奪われる中で、この庭園こそがチボリの「文化的な品格」を象徴する場所だったと言えるでしょう。

(公園内にあったアンデルセンの像)
庭園の中央に鎮座していたアンデルセンの像。これはデンマーク本国にある像を精巧に再現したものです。
・デザインの背景:アンデルセンがチボリ公園を眺めながら物語の構想を練っていた姿をモチーフにしています。
・サイズ:本国の像の80%スケールで制作されました。
・こだわり:ただのモニュメントではなく、本場デンマークとの深い繋がりを示す「チボリの正統性」の証でもありました。
地上からは気づかない?「切り絵」デザインの仕掛け
切り絵の庭の花壇や池は、アンデルセンが得意だった切り絵(ペーパーカット)をモチーフにしています。
ページ冒頭にある人の目線から見たような写真では、きれいな花壇のある公園と感じるかもしれません。しかし少し高い角度から見ると、切り絵らしいデザインの幾何学模様が浮かび上がります。
こうした平面的なデザインを最大限楽しむため、この「切り絵の庭」は他のエリアよりも少し低く作られていました。

(少し上の角度から撮影した切り絵の庭)
アンデルセンの作品を読む時には、倉敷チボリ公園で見たこの風景を重ねてみてはいかがでしょうか。遠く離れたデンマークと日本であれ、童話の舞台となった情景と二つの公園のテーマはよくマッチするはずです。
2008年末の閉園後、園内の建物の多くは解体されましたが、アンデルセン像は「チボリの記憶」を継承するために残されました。
現在は、JR倉敷駅北口(アリオ倉敷側)の広場へ移設されています。
かつては広大な庭園を見守っていた像が、今は駅を行き交う人々を静かに見守っています。もし駅前であの像を見かけたら、その足元にかつて広がっていた、美しい幾何学模様の庭園を思い出してみてください。
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写真:上『切り絵の庭』
中『アンデルセンの像』
下『切り絵の庭(別角度)』
写真提供:岡山県
最終更新日:2026.1.24

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写真:倉敷駅から見たチボリ公園
写真提供:岡山県

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